私たちの周辺におられる未信者の方々が、宗教を批判する一つに戦争をあげることがある。「宗教があるから、世界に戦争が起こるのではないか」というのである。これは、宗教を否定したいと考えている人々の主張なのであろうか。では、それは本当なのか問うてみたい。
①「宗教が原因となった戦争は確かにある」。11世紀から13世紀にかけてカトリック教会の十字軍が聖都エルサレムをイスラム教から奪還するために戦争をした。17世紀にヨーロッパの30年戦争がドイツに起こった。これは、カトリック教会とプロテスタント教会との争いであったが、後になると政治問題となっていった。もう一つは、近代での9.11同時多発テロは、イスラムの聖戦(ジハード)として知られている。このような事実はある。
②「世界史において宗教が原因となった戦争は多くはない」。世界戦争百科事典があるが、歴史上起こった1,763件の戦争を取り上げている。その中で宗教戦争は、123件(6.98%)。その内イスラム教の戦争は66件。それを除外すると57件(3.23%)となる。それ以外の戦争は宗教に関係がない。大量虐殺も無宗教の独裁者により起こっている。ソ連のスターリン(4.267万人)。中国の毛沢東(3.782万人)。ドイツのヒトラー(2.094万人)。多くの尊い人間の生命が失われている。
③「戦争の第一原因は人間の罪による」。新約聖書のヤコブの手紙4章1節、2節に、「あなたがたの中の戦いや争いは、いったい、どこから起こるのか。それは他でもない。あなたがたの肢体の中であい争う欲情からではないか。あなたがたは、むさぼるが得られない。そこで人殺しをする。熱望するが手に入れることができない。そこで争い戦う」と。人類の祖アダム以来の原罪の影響がすべての人間にあるので、その罪が世界史において戦争を繰り返してきたのである。神によらなければ真の平和はこない。
さて、人間の本性を問題にせず、一方的に宗教の責任にするとは、それは誤解であり偏見というものである。もう一度調べ直して欲しいと思う。
